◆高血圧症との付き合い方

 

1)「血圧はいつも変わりないので、家では測っていません」

 変わりないかどうかは測ってみて初めて分かります。変わりないことを確かめるために測ってください。

 

2)「神経になるので、測っていません」

 最初は神経になってもそのうちに慣れてきます。血圧の値をノートにつけて、もってきてください。


3)「自覚症状がないので、測っていません」
 いやいや、出た時にはもう遅いのです。脳卒中・心筋梗塞・大動脈の病気など命にかかわるものばかりです。

4)「うちの血圧計は壊れているみたいです」
 血圧は常に変化していますので、測るたびに違った数字が出るのが普通です。血圧計を一緒にみてみましょう。

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■ こんな会話を外来でするのが私は好きです。そして「変わりないですね」といって、「ただ薬を出す」のでは何かさびしさを感じます。患者さんが血圧を自主的に測るようになり、そして「今の生活習慣ではダメだ」と考えを変えていただいたとき、私はこの上ない喜びを感じ、そこから高血圧の治療はスタートします。

 

■ 生活習慣が乱れたままでは、いくら良い薬を飲んでいても投資のわりに血圧の下がりは今一つです。塩分を摂りすぎていたり(薄いと思っていても皆さん濃い味です!!)、たばこを吸っていたり、アルコールが過ぎていたり、運動不足だったり、肥満体であったり、ストレスをためすぎていたり、といった「生活習慣」を変えることが実は一番大事なのです。そしてこの意識改革の一番の利点は「効果が長続きする」ことにあります。何より自分の体を大事にするようになります。

■ もちろん私が薬を出さないわけではありません。数ある降圧薬の中から患者さん個々にあったお薬をお出ししますのでご心配なく。同時並行で治療を進めますが、「生活習慣の改善によって血圧が下がり、薬を減らせて、最終的に薬をやめられる、そして心臓や脳、血管の病気を未然に防ぐ」ことが究極の目標です。

■ その際の判断材料は「病院の血圧」ではなく、実は「家庭の血圧」なのです。病院では多少なりとも緊張状態にありますので、本当の血圧より高く出ることが多いのですが、受診の時間帯により低く出る方もいます(血圧は早朝が最も高く、その後徐々に下がってきます。そのため、早朝に脳卒中や心筋梗塞などが起こりやすい

といわれています)。当然、血圧チェックの最も重要な「早朝」は病院ではなく自宅にいるわけで、家庭での血圧測定が重要視される所以です。

 

■ われわれ医師にとって皆さんの早朝の家庭血圧データこそが貴重な診療材料になります。薬を飲んでいるから大丈夫だろうと安心してはいけません。

 

「家庭の血圧」が下がっていなければ意味がありません。

「病院の血圧」だけでは適切な治療は受けられません。

 

ぜひぜひ!!家庭血圧を測って一緒に治療していきましょう。

血圧の器械は薬局や電器屋さんで購入できます。5,000円前後で良いものが買えます。せっかく測った血圧は血圧ノートに記入しましょう。血圧ノートは無料でお渡ししていますので遠慮なくおっしゃってください。